2018/10/21
参照記事
「AGA治療におけるケトコナゾールシャンプー」
「ノンシリコンシャンプーでは薄毛は治らないし、改善もしない」
AGA治療を行っていると、俗に言うAGA専門クリニックや、美容系クリニックから流れてくる患者さんが少なくありません。流れてくる患者さんは、そのクリニックに不満を感じているから転院するという方が多いです。それが、距離的なものや金銭的なものであればまだしも、治療方針に不満を感じている方は多いようで、他院で処方された薬を持参して「これは正しい治療なのですか?」「この薬は大丈夫ですか?」と聞かれることもしばしばです。
ある患者さんが、他院のオリジナルシャンプーというのを持参して来院しました。見たところ、ケトコナゾールローション(ニゾラールローション・ニトラゼンローション)をシャンプーに混ぜて、オリジナルのケトコナゾールシャンプーとして販売しているようです。医薬品のケトコナゾールローションは、2%の濃度で10mlの小さいボトルに入っていますが、そのクリニックで処方されたボトルは、巻いているラベルが剥がしてあり、白いボトルになっていました。(患者さんに正確な濃度を知られたくないからだと思います。)
以前にケトコナゾールのシャンプーは2%の濃度が必要であり、市販のコラージュフルフル(硝酸ミコナゾールを0.75%配合)では濃度が低く、AGA治療にはあまりおすすめできないという記事を書きました。では、そのクリニックで販売されているケトコナゾールシャンプーはいったい何%になるのでしょうか?
10mlのケトコナゾール2%ローションを340mlのシャンプーに混ぜて、350mlのケトコナゾールシャンプーとしているため、0.057%の濃度です。はっきり言って意味がありません。確かにそのクリニックは、「ケトコナゾール配合シャンプー」と謳っているだけで、濃度までは表記していないわけですが、こういうやり方をしている時点で、医療者としてどうなのかと思います。と言っても、まだそのクリニックはましな方で、もっとひどいクリニックは沢山あります。
AGAや美容系の領域は、まともな医者が本当に少ないです。長く(まともな)総合病院に勤めてから、開業したので、毎日驚きの連続ですね。
ちょうど昨日、Twitterでもケトコナゾールシャンプーについての質問があったため、記事にしてみました。Twitterはクリニックの性質上、あまりフォロワーが付きにくいので、ぜひフォローよろしくお願いします。スタッフと院長が中の人としてつぶやいています。肌のクリニックTwitter