肌のクリニック院長のAGAブログ

医師が本気で考えるAGA治療・脱毛症治療

歯髄由来幹細胞再生因子

time 2015/03/18

人の歯の内部には、歯の神経や血管が集まる歯髄と呼ばれる組織が有ります。歯髄には豊富で良質な幹細胞が含まれていることが分かっており、歯髄から取り出された幹細胞は、脊椎損傷や脳梗塞治療への応用が始まっています。特に乳歯には歯髄幹細胞が豊富に含まれており、また細胞自体が若いため、幹細胞自体の損傷がなく、組織再生能力が非常に高いことで知られています。大学や民間で乳歯バンクを運営して、乳歯を保存じておき、将来の怪我や病気に備えるという取り組みも名古屋大学や株式会社再生医療推進機構でなされています。自分の幼いころの乳歯を利用できるのであれば、拒絶反応などの免疫応答も起きませんので、多様な疾患を治療できる可能性があります。また、親子、兄弟でも細胞の型が一致していれば利用できる可能性もあります。

ただ、現在病気に悩んでる成人で、自分の乳歯を保存している人はいないと思います。なので、現実問題としてすぐに治療に使える人はいないわけです。そこで、歯髄由来の幹細胞を培養する際に使用する培養液を、治療へ応用しようという試みがなされています。幹細胞が培養される過程で、細胞が様々なサイトカイン、成長因子を培養液へ放出するので、それをフィルターへかけ、細胞自体は使用せずに成長因子だけを使用します。細胞自体を使用しないため、他人由来の細胞の培養出来でも使用する事ができます。また、細胞成分を含まないため、理論上は癌化などの危険が極めて低いとされています。

この歯髄由来幹細胞培養上清は、すでに南東北病院などの一部の病院では臨床試験で使用されています。また、人ではありませんが豚由来の歯髄由来幹細胞培養上清は、化粧品、ヘアケアの分野では2年ほど前から使用されており、特に副作用などの安全面では問題がないとのことです。歯髄幹細胞の培養、成長因子抽出、製剤化まで、全てを日本国内で行っており、感染症対策などの面では安心できるかと思います。

成長因子は溶解(溶液化)すると活性が徐々に失われていくので、凍結乾燥(フリーズドライ)して粉末化するのですが、やはりフリーズドライをする過程でも成長因子の活性が失われていくことが分かっていますので、凍結乾燥もせずに、そのまま施設でマイナス80℃に凍らせて、クリニックへ搬入されます。
IMG_3635このような形でドライアイス詰めで配送されます。
IMG_3637大量のドライアイスの中に、再生因子が入っています。
IMG_3640

AGA治療においては、この再生因子がどこまで働いてくれるのかは、まだまだ症例数が足りないと言わざるを得ません。ただ、最低でも脂肪由来幹細胞成長因子を用いたHARG治療や、皮膚由来幹細胞成長因子を用いたBenevよりも効果が高くなくては、AGA治療で使用する意味が無いかもしれません。なにせ、製剤が高すぎますから。参照「歯髄再生因子を使う次世代再生医療」 http://news.mynavi.jp/articles/2013/12/12/quarry-men/

肌のクリニック

院長 岩橋 陽介

院長 岩橋 陽介

東京のAGA治療専門皮膚科「肌のクリニック」の院長ブログ。Twitterではスタッフと院長がつぶやいています。 [詳細]