肌のクリニック院長のAGAブログ

医師が本気で考えるAGA治療・脱毛症治療

治療機器の選定 その2

time 2015/05/29

治療機器の選定 その1では、ハイジェッターが進化した無針注射器 Stratisについて書きました。Stratisについては、いずれ頭皮へ応用したいと考えていますが、問題点としては頭皮は他の部位の皮膚より硬いため、きちんと導入できるかどうかというところです。同様の機種にMEDJETという無針注射器があり、主にHARGを行っている治療院で導入されているようです。MEDJETは、高圧の炭酸ガスで薬剤を皮下へ射出するタイプの機械で、中国で認可されています。私はこの機器を実際に使用したことはありませんが、施術動画を見る限り少なくともStratisよりは大型です。パワーも強いようで、ハイジェッターと同様に神経系の損傷がやや心配ですが、これは副作用報告などを待たないと現時点では分かりません。Stratisは先端部分は使い捨てとなっていますが、MEDJETの場合も使い捨てになっているのか、先端部は取り外してオートクレーブ(高圧滅菌)にかけるタイプなのか、また薬剤ロスはどれほどなのか、実際に使用しているドクターがいれば、使い勝手などを含めていろいろ聞いてみたいと思っています。

無針注射器ではありませんが、日本のテルモ株式会社がすでにインスリン注射用に発売している「ナノパス」という極細の注射器があります。nanopas

テルモ「ナノパスニードルⅡ」

34Gという非常に細い針のため、痛点にあたらなければ痛みを感じません。また先端も非常に鋭利で、痛みを感じにくい構造になっています。機器自体はペン型で非常に小型です。また一回に注入する薬剤量も任意で決定できるので、成長因子の注入には適していると思われます。

総じて注射タイプは薬剤ロスがない反面、無針注射器でも極細注射器でも、やはり痛みを伴います。脱毛治療では、一回の治療で頭皮へ何十箇所も注入しなければなりませんから、繰り返しの注射針の使用により頭皮が瘢痕化を起こす事例もあるため、反対する植毛医もいます。頭皮の瘢痕化が起こると、そこからいざ植毛をしようとしてもうまく根付かないようです。

また、成長因子を注入する場合、濃度を誤ってしまうと細胞が増殖しすぎてしまい肉芽や凹凸、繊維化などの問題が起こってきますから注意が必要です。美容外科で行った線維芽細胞増殖因子(bFGF)の注入でしこりが出来たというのは、その典型例です。

肌のクリニック

院長 岩橋 陽介

院長 岩橋 陽介

東京のAGA治療専門皮膚科「肌のクリニック」の院長ブログ。Twitterではスタッフと院長がつぶやいています。 [詳細]